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★50. 排泄の自立は出来ていますか
3歳になり、幼稚園、保育園、こども園などに就園する時、排泄の自立は出来ていますか。
乳児期とは違い、少し大きな集団の中の1人として過ごしていくことになります。昔からの考え方でいいますと、3歳の夏までにはおむつは外れるかな。という目途がありました。
もちろんほとんどのお子さんは、ほぼ自立した状態で入所してみえますが、近年、紙おむつの進歩などもあり、ついつい紙おむつの中で排泄し続けている場合があります。
このことはやはり手を掛ける時にはきちんと手を掛け自立を促す必要があります。手を掛けても難しい場合には、もしかすると発達に何等かの課題を抱えている場合があるかもしれません。
★49. 子どもに掛ける言葉
園では子どもたちに掛ける言葉を、子どもが考えて答えられるような言葉掛けをするように心掛けています。
しかし、ご家庭で今日はどんなことをしたかを聞きたい時、あまり表現してくれない時などは質問をイエス・ノーで答えられるような問いかけにしたり、その子のペースに合わせて待つといった余裕が大事なことです。また、いつも同じタイミングで問いかけるといったことが良いようです。
園ではわかりやすい言葉で周りのことを言語化していくことが有効かもしれない。その言語化する時、その子の思いに寄り添って表現する必要があり、大人の思いをいっぱい伝えるということとは違うようです。
★48. わらべうたって?
自園では、わらべうたを取り入れています。
わらべうたを聴いて育った人もいると思いますが私はあまり歌ってもらったという覚えはありません。「かごめかごめ」とか「あんたがったどこさ」とか遊んだ覚えのあるものもありますが。
今自園では職員は160曲ぐらいのわらべうたを学んでいます。
なぜわらべうたかというと、音域が子どもの声帯に合っている、拍を刻みながら体感する。優しい声をよく聴く、そしてリズム感を感じる。ルールのある遊びを体験する、勝ったり負けたりを体験する、といったことがあるかと思います。
またわらべうたを歌う時、乳児に対しては、目の前の1人に対して歌います。皆に向けて歌うより、隣りで聴いている子にとってもミラーニューロンが働き、より共感して親しめるようです。
★47.自宅での話です
トイレで5歳児の孫が怒っていました。何を怒っているのかと見てみると、トイレットペーパーがホルダーから外れて、ペーパーがダランと伸びてしまっていました。「怒ってる」というより「困っている」状態でした。手助けが必要な状態でした。なんとか1人で出てきたとしてもトイレットペーパーが散乱していて下手をすれば本人は困ったうえに「どうして散らかしたの」と怒られてしまうかもしれません。
園でも家でも手助けが必要な場合に子どもに丁寧に寄り添えたらと思います。
★46.乳幼児の性教育
何をどう伝えたらいいのだろうか。と考える所ですが、「水着で隠れる部分はプライベートゾーンと言ってとても大切な所だよ。だから見せたり触らせたりしないよ。」と言う表現で伝えていくことにしています。
大切な所で、大切にする、自分自身を大切にすることにもつながっていくかな~。
★45. 意識が向いているものからの切り替えが難しい!!
作業療法士の先生の研修を受けました。
日常の中で個性豊かな子どもたちと関わる中で、それぞれの個性をより理解し成長が促せるように月1度研修をしています。
創造性が高く豊かな心の世界を持っている場合が多いが、意識の向いているものから切り替えが難しい子がいます。
見て動いてから認知(識)がついてくるため活動をとめられると、「なんで~!!」となり行動がついてきにくい、そうした場合は意識を一瞬逸らして、気持ちを落ち着かせるようにしてみる。
時には人に合わせたりする必要があるので日常の中で人に合わせるとか人から提案を受け入れるといった経験を感じられるように言葉を掛けていく。何かを止める時ずっとダメじゃなくて、今はダメなんだといったことを体験していけるような関わりをしていけるとよい。こうしたことを学びました。
★44. 「学びの時間」
子どもたちには1日の多くの時間を自発的に遊べる時間として保障しています。こうした時間も子どもたちにとっては学びの時間ですが、その中で大人が意図的に学んでほしい事柄をカリキュラムや年間のテーマなどから選んで行う事があります。今までこうした学びの事を「課業」と表現していましたが「課業」という言葉自体は、ハンガリーの保育が基で、日本で導入された時の用語です。今後自園では「学びの時間」と表現することにします。
「学びの時間」の特徴的な事は、大人は伝える意図を持って活動しますが、五感を通して伝える事。また、子どもたちにとって身近なことを大事にします。子どもにとっては、遊んでいる感覚で活動に参加出来るように工夫します。
★43.園での子どもたちの遊びの様子
~乳幼児が夢中になって遊んでいる時、子どもたちの目線はどこを見ているでしょうか~
乳児のお部屋を見ると、それぞれの子どもが、自分の遊んでいる手元や玩具などを見て夢中に
遊んでいる様子が見られます。保育教諭は、それぞれに関わりながら全体を見守っています。
一般的に乳児の部屋でよく見られる状況に、保育教諭の周りを子どもが取り巻き、
視線は全員保育教諭を見ている情景です。
あまりに普通な感じで、それがなにか・・・?と思われるかもしれませんが、
先生が遊んであげているという状態の時の姿かと思われます。
一方、自分のしている事に夢中で、自分の手元や玩具に視線がいっている場合には、
自発的に遊んでいる状態だと思われます。
自発性の育ちを保障する!!
とても大切なことですが、特別な事をするのではなく、日常の中で日々育っています。
★42.子どもに何かを聞くとき・・・。
どっちがいいの? いいの? いやなの?
二者択一で聞いている事がよくあります。
言語聴覚士の方とお話しする機会があり、
その時に、子どもが感情(意志)を表現するのに、
「はい」「いいえ」の他に「わからない」という選択肢を入れて
絵本のようにした、子どもが指し示せるものを見せて頂きました。
この「わからない」という事は大人でもあることだと思いますが、
ついつい 「どっちなの?」と言ってしまうことがあります。
「わからない」ということもありですよね。
家庭でもこの視点は大事な事のように思いました。
★41. 保育に活かす〈子どもの権利条約〉
全国私立保育連盟という組織があります。
私は、14年程、その中の保育国際交流運営委員会の委員を務め
内7年間は委員長を仰せつかっていました。
世界と日本の保育の情報を共有し、日本の保育現場に役立つ情報を
発信する活動をしていました。
その中で、一人ひとりを大切にする保育の発信をすると共にその実践は、
子どもの権利条約に根付くものであると考え日々の実践と権利条約とを結びつける情報を
コミックとコラムを通して約4年間保育通信(毎月発刊の連盟の機関紙)に掲載してきました。
この度、そのコミックとコラムが出版されることになりました。
「子どもの最善の利益」ということが国の方針にも示されていますがこの言葉は
子どもの権利条約からきています。
日々の保育にこのことが活かされ保障されることを願っています。